愚慫空論

虚構の使い方

毒多さんのところで紹介されていた動画



思ったところを表現してみます


目隠しをして 次のようなメッセージを掲げています



挨拶と名乗りの次に アラブ系のアメリカ人だと自己紹介
そして

I Lile many People
  Black  (黒人)
  Brown (有色人種)
  Women (女性)
  LGBTQIA (セクシャルマイノリティ)
  LATINX (ラテン系アメリカ人)
  MUSLIM (イスラム教徒)
  JEWISH (ユダヤ教徒)
  Immigrants (移民)
   and Other

場所はニューヨークのセントラルパークのそばのようです
場所から考えて 容易に想像が付くのは
上に上がられた人たちは 差別されている人たち
そのことは White(白人)が入っていないことからもわかります

彼らが差別を受けるのは 虚構の作用によって です



I am very scared. (私はとても怖い)

それはそうでしょう
往来の中で奇妙な振る舞いをしているのだから

でも 彼が怖がっているのは そのことではない

We are Anxious and Uneasy in our own country
and It's difficult to see what lies ahead for US

米国が不安で怖いとは言っているけれども

 I have hope that I am safe with YOU together
 we can build a community of caring rather than one of fear

あなた方とは安心して居られるし
恐れではなく 思いやりに基づくコミュニティを作ることができると思ってもいる

では あなた方とは?
見ず知らずの人です
見ず知らずどころか 見ようともしない

 I TRUST YOU

YOUには 何らの制約はありません
無条件です


このように身を投げ出す振る舞いは ぼくたちの心に響きます
そのことは 動画を視聴すれば実感できる



考えたいこと 言葉にしておきたいことは ここから先です

Krimさんの振る舞いは〔人間〕としてのものだと考えます
〔ヒト〕の振る舞いではない

恐れから〔社会〕を構築するのは〔人間〕です
その〔社会〕は【社会】となり 【社会】の中で〔人間〕は【人間】になる
これらは虚構の作用によるものです

では そうした虚構に抗うのは何か
〔ヒト〕ではありません
〔ヒト〕のもつ身体性では力不足なんです


Krimさんは虚構を否定した
でも その否定もまた虚構なんです
彼は その虚構に身を投じている


〔ヒト〕は思いやることもできます
だけど 恐れるものでもあるんです

「恐れよりも思いやり」と言っている時点で すでに虚構です

〔ヒト〕は YOUに対して 無条件にはなることができません
彼が無条件として振る舞うことができているのは 
先に「恐れよりも思いやり」という虚構があるからです
Krimさんは その虚構に殉じている
殉じることが身体性です

これは完全に宗教的な振る舞いです
宗教的ではあっても 宗教ではないのは 虚構が体系づけられていないから
Krimさん個人の虚構だからです

その証拠は動画にも表れています
多くの人がKrimさんをハグしていきます
でも 彼の横に並ぶ者は出てこなかった
彼の虚構が共有されれば その横に並ぶ者も出てきたはずです



もとより〔ヒト〕や〔人間〕といった区分も虚構です
言語化して思索するための便宜上の区分に過ぎません

でも単に便宜上ではない
それは認知革命以降のサピエンスが虚構に生きる動物だからです

同じサピエンスでありながら〔ヒト〕と〔人間〕では振る舞いが違います
違うといっても明確な区切りがあるわけではなくて その違いはグラデーションです
〔社会〕を満たす虚構の濃度によって違いが生まれてくる
濃度が薄いと〔ヒト〕 濃いと〔人間〕程度の違いです

サピエンスは虚構に先導されて〈生きて〉いく存在です
生まれ落ちた〔社会〕はすでに虚構に満ちていて
虚構をわが身とすることで〔人間〕になっていく

虚構を身につける能力が未発達な子どもやある種の障害者は〔ヒト〕でいられる
が 大半のサピエンスはそうではいられない
どうしても虚構にまみれた〔人間〕になっていきます
そのことは否定できない事実です

ぼくが サピエンスを〔ヒト〕と〔人間〕に便宜上区別し
もう十分に〔人間〕になったから〔ヒト〕へ還ろうと主張するのは
虚構の濃度が濃すぎるものになってしまったからと感じるからです

では どうやって虚構の濃度を下げればよいのか
Krimさんのように個人の資質に頼るのもありでしょうが横に並ぶ者は少ない
虚構の濃度を下げるのにも 虚構を使うしかありません

虚構の濃度を下げる「アンチ虚構」もまた虚構です
しかし 虚構の構造からすれば 「アンチ虚構」は構築可能なはずです
可能なはずというより もうすでに出現しているとぼくは思っています



コメント

TBありがとう、、、なんて懐かしい挨拶なんだ^^
講演会は市民活動家が多く、懐かしかったのですが(笑)、「身体性」「虚構」という視点にたって聞いているとまた新たな聞き方もでき、なかなかよかったです。
まあワタシなんかも身体性が、かなり消失している気がするのですが、消失という先細りのベクトルと反比例するように虚構に依存という先太りのベクトルがあるような気がします。
つまり逆から言えば、虚構を先細りさせれば身体性が取り戻せるみたいな・・・・
karimというオペラ歌手のyoutubeでいうなら、人種という虚構を越えようとすること(なくすベクトル)に、人々は吸い寄せられる。吸い寄せられるというのは身体がかって寄っていったと感じるし、ワタシにしても意志ではなく泣いていましたし、それも身体性かなと思っています。

紹介のビデオではイギリス帝国という虚構に「知らぬ間に依存している」インド人は身体性もまた消失していっている気がします。外国人登録証の破棄、帝国への不服従というのは、イギリスへの不服従というよりも虚構への不服従でしょうか。
怒りもまた身体性となりますか?その結果復讐と走りますが、非暴力に落ち着くのでしたっけ。それはまた別の虚構ともいえるかもしれません。

ワタシたちは虚構を利用し〔人間〕になってしまった。もう虚構から逃れることはできない。ならばカウンター〈虚構〉を構築するしかない。非暴力もそうしたものかもしれないのかな(さて個別撃たれて死んだものにとってはどうなんだろう、、、とかは考えてしまいますが・・・。)
ちなみに現在のアメリカのスタンディング・ロックの抵抗運動も非暴力だと講演会では話されていました。

いずれにしろ個々が何かを感じなければ(身体性)、ここまで【人間】を【進化】させてきた【虚構】に不服従し抵抗しなければ、あらたな身体性を取り戻すことはできずに〈人間〉にもなれない。
はたして、ガンジーのビデオのなかにあった「知らぬ間にイギリスに依存している」ならぬ「知らぬ間に【虚構】に依存している」ことを自覚することができるのか。みんなでしなくちゃ構築できないなけど、どうなんだろう?・・・とこういう締めで愚慫さんを挑発しているわけじゃないんだけどね^^;

・毒多さん おはようございます。

身体性ですね。
身体性は消失したりするものではないと思うんですよ。それが消失すると、死んでしまう、、、^^;

でも「身体性が消失する」と言いたいのはわかります。
ぼくなら、この場合は〈身体性〉と表記しますが。

身体は〔いのち〕の表れ。あるいは〔世界〕の「破れ」
「破れ」からはエネルギーが吹き出す、あるいはエネルギーが流れ込む。
その具体的な《形》が身体――とこれは、量子力学的な言い回し。

身体性は、直に他者の身体性へ向かう場合と――〈身体性〉
虚構へと向かう場合とがある――【身体性】

〔ヒト〕には、〈身体性〉であっても【身体性】であっても、それが身を投げ出そうとしているものであれば、どちらも響く。そういう生き物だと思います。

動画から分かるように、〈身体性〉を誘導するのは「信頼」です。
逆に【身体性】を誘導するのは「信用」です。

karimさんをハグしていく人々は、まず、そこに書かれている言葉を「信用」します。そしてその「信用」が「信頼」に足るかどうか、karimさんの佇まいをみて判断している。

「信用」は不安を解消してくれる。
「信頼」はその上に、安心をもたらてくれる。
〔ヒト〕は安心を求めますから「信頼」を求めるが、それが満たされなければ、次善として「信用」を求める。
「信頼」に必要なのは身体性です。「信用」は虚構で足りる。

>虚構を先細りさせれば身体性が取り戻せる

虚構の濃度が濃いというのは、「信用」の濃度が濃いということでもあります。
「信用」の濃度が薄くなったと感じると、〔ヒト〕は自ら作りだしていくはずです。
それも〔信用〕ではなく、「信頼」の方を。
性善説です。


怒りは身体性の発露です。当然です。
怒る原因があるのなら、それを抑圧してもムダ。
身体性はエネルギーの入出力だから、どこかを塞ぐと別のところから出て行くだけです。
それが大抵の場合、出しやすいところから出て行く。弱い者が虐げられるのは、それが理由です。

といって、怒りがあるからといって暴発させればいいというものではありません。怒りは制御するのが難しいエネルギーですが、逆にいえば、それができれば、とても大きな建設的な力になる。
怒りは腐臭を放ちますが、上手く熟成させると良質の堆肥になります

ロックが怒りのエネルギーの蕩尽だというのは、感覚的にわかるじゃないですか。まだかなり臭いですが...^^;

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