愚慫空論

【再掲載】 「触媒」 【追記】


前回

 「言語現象にもオートポイエーシスは働く」

なんてことを書きました

書いてみて 以前 そのような内容のことを書いたことを思い出しました

さほど長くないので そのまま再掲載してみます

* * * * *

コミュニケーションの失敗から必然的に生まれるもの、責任と秩序と権力。
とはいうものの、コミュニケーション失敗から即、それらが生まれるわけではない。
コミュニケーションの失敗は、それらが生まれる土壌のようなもの。
責任や秩序や権力が土壌から発芽するのは、きっかけ、気づき、といったようなものが必要。
しかもわかりやすい形で社会に共有されないといけない。

責任・秩序・権力が発芽する、社会に共有されるきっかけ。これを「触媒」と呼んでみたいと思う。

「触媒」をイメージするのにちょうどよい動画がある。



この動画は、
『自然の幾何学とアーカイブ』(雑念する「からだ」)
から
『「世界」は振動という「空(くう)」に満ち満ちている』(光るナス)
という順序でここへやってきた。

『光るナス』のアキラさんは、クラドニプレートを「世界」と解釈し、振動を「空(くう)」と見、そして

「世界」には、こういうありとあらゆる振動が満ち満ちていて、その振動と振動との狭間に、粗いものが吹き寄せられていく。
その「集まり」を、僕らは「姿」や「形」や「状態」として認識しているのではないか?


と投げかけてこられる。うん、腑に落ちるものがある。視覚や聴覚のような感覚はこのようなイメージで立ち上がるのだろうと思う。振動数の高い者ほど、緻密な「姿」「形」になる。

感覚には「触媒」は特に必要とされない。
なぜなら、それはもともと身体にビルトインされているから。

人間は、振動するクラドニプレートによってイメージされる「世界」をもうひとつ抱えて、そちらは「触媒」を必要とする。
プレートの振動を“可視化”する砂。
この砂がなければ、プレートが振動していることが理解されない。社会に共有されない。
社会で共有されることがなければ、いかに土壌(振動するプレート)が整っていても発芽はない。

責任・秩序・権力といった観念。
そればかりではなく、言葉も貨幣も「触媒」である。

* * * * *


 「感覚には「触媒」は特に必要とされない
  なぜなら それはもともと〔ヒト〕の身体にビルトインされているから」

このことを前回提示した言葉でいうと

 >自然現象世界秩序

です 一方

 「〔人間〕は振動するクラドニプレートによってイメージされる
  「世界」をもうひとつ抱えて
  そちらは「触媒」を必要とする」

「触媒」とは言語です
言語がなければプレートが振動していること(⇒〔システム〕)が理解されない

言語という「触媒」によって〔社会〕に共有されるのが

 >言語現象世界秩序

です

ここで大書したいことは
  言語(触媒)
というものを用いれば
自然現象世界秩序と言語現象世界秩序が

 アナロジーで語ることができる

ということです
アナロジーで語ることができ それが理解されるということは
論理的にはともかく 

 感覚的には共通ものものがある

ということです
では この場合 共通のものとは何か?

 振動

です
振動がなにものかの比喩になっていて
その比喩が感覚的に共通する

振動はエネルギーです

「世界」には、こういうありとあらゆる振動が満ち満ちていて、その振動と振動との狭間に、粗いものが吹き寄せられていく。
その「集まり」を、僕らは「姿」や「形」や「状態」として認識しているのではないか?



「触媒」の発想の元になったアキラさんの文章
実はこれ 現代物理学の発想でもあります

「宇宙」はエネルギーに満ちている
空間そのものがエネルギーだと物理学は考えています

ここもアナロジーで語りましょう


グラスが空間です
グラスに満ちている水がエネルギーです

表面張力でグラスから盛り上がる水(エネルギー)は
やがてグラスから筋を伝って流れ落ちるようになります
どこからどのように流れ落ちるかは予想がつきません
どこからどのように流れ落ちるかは たまたま 偶然です

水が流れ落ち始めた「筋」が 私たちが観測できるエネルギーです
具体的には 4つ

 重力
 電磁力
 強い力
 弱い力

私たちの宇宙「空間」は
エネルギーがしたたり落ちる4つの「筋」によって秩序づけられていることになります

なぜかわかりませんが
空間からあふれ出て顕在化したエネルギーは 偏在します
宇宙空間に一様に分布するわけではない

たとえば「星」です
恒星が数多く集まって秩序だった形を作ると「銀河」です
恒星を中心に 恒星になりきれなかった塊が「惑星」で
ひとつ あるいは 複数の恒星を中心に「恒星系」を作る
そうした恒星系のひとつが私たちの「太陽系」です

太陽系もエネルギーは偏在しています
その大部分は太陽にあります

偏在しているエネルギーには拡散しようとする運動法則があります
 (「エントロピー増大の法則」あるいは「熱力学の第2法則」)
この「運動」が 私たちが普段感じる「エネルギー」です

 太陽エネルギー
 重力エネルギー
 内燃機関やモーターの動力

全部これです
クラドニプレートの「振動」に比喩されるエネルギーは
このレベルのエネルギーだと思っていいでしょう

そして この振動(エネルギー)が構造・秩序を形作ります
このときにできる構造を散逸構造といいます

何が「散逸」するのか?
エネルギーです
エネルギーは 散逸効率の最大化を目指して
自発的に構造を作ります

クラドニプレートは振動エネルギーを与えられています
与えられて偏在したエネルギーは散逸しようとする
それも効率的に
振動エネルギーは見えないけれど 「触媒」を撒くと可視化されます
クラドニプレート上に「触媒」が形作った幾何学模様
「触媒」が集まった場所は、エネルギーの散逸が最小の場所を示しています
もっともエネルギーを放出している場所は 「触媒」を払いのけてしまいます

こうして 偏在したエネルギーの散逸にも構造ができ
エネルギーの散逸の具合もまた偏在します

偏在 ⇒ 散逸 ⇒ 構造 ⇒ 偏在 ⇒ 散逸 ⇒ 構造 ⇒ 偏在 ・・・・・

どこまでも自己模倣が続きます
これが自己組織化(オートポイエーシス)の機序であり
この機序を図形へと可視化するとフラクタルになります



具体的にイメージを表現するのは難しいのですが



おなじみの〈円環〉です

この円環構造は「世界」全体の象徴的図示であると同時に
個々の生命そのものの象徴的図示でもあります

動的イメージとしての〈円環〉と
静的イメージとしてのフラクタル
この2つの融合が〔世界〕のイメージです
言葉で表現するなら「動的フラクタル」
「動的フラクタル」の記号表現すると 〈フラクタル〉

「世界」全体と生命は〈フラクタル〉であり 動的に自己相似です
それが〔ヒト〕というレイヤが属しているシステムの〔かたち〕であると同時に
〔ヒト〕が〔人間〕になるときに生み出したシステムの〔かたち〕でもあります

つまり
〔ヒト〕が属する自然現象世界秩序も
〔人間〕が生み出した言語現象世界秩序も
その生成の原理はともに〈フラクタル〉です


なのに この2つはバッティングしてしまいます
バッティングし 言語現象世界秩序が
自然現象世界秩序を阻害・抑圧してしまっています

なぜか?

 「たまたま」

だからです
「たまたま」の積み重ねでバッティングするようになってしまった

では この「たまたま」はどうしようもないのか?
自然現象世界秩序は どうしようもありません
これをどうにかするのは 〔ヒト〕が〔ヒト〕でなくなるということです

しかし 言語現象世界秩序はそうではない
こちらをどうにかするのは 〔ヒト〕が〔人間〕になるということそのものですから

どうにもならないはずがありません




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