愚慫空論

不透明な権力闘争

議会での結論は多数決で決する。
これが〈闘争〉が基本原理であり戦争の代替物である民主主義での「平和条約」の形である。
では、なぜ多数決が「平和条約」たりうるのか。
戦争での勝敗と同様に誰にでも直観的に理解出来るから。明瞭この上なく「透明」だから。

つまり。民主主義が「平和条約」であるための条件は「透明化」である。

しかし。原理原則は単純だが、単純にいかないのは世の常。
多数決で結果が出たにも関わらず、「遺恨が残る」といったようなことがしばしば起こる。
それは、その過程が「不透明」だから。

民主主義が権力闘争である。
にもかかわらず、民主主義国家であるはずの日本では、権力闘争というだけで忌避される。
なぜか。権力闘争は「不透明」に行なわれるという「刷り込み」がなされているから。
その主犯はもちろん、マスメディアにある。

民主主義の原理はごく単純なものだが、社会は複雑だ。複雑な社会はなかなか見通しが効かず、「不透明」なものになりがち。これは原理上致し方ないことである。ジャーナリズムの役割は、社会の複雑さを整理して見通しを良くし「透明化」することにある。国民は見通しのよい「透明化」された権力闘争を観戦することで、多数決で決着がつけられる「平和条約」を承認することができるようになる。

ところが、日本のマスメディアは「透明化」の役割を果していない。国民も期待しているとはいえない。


そんな日本のマスメディアの代表的存在が、昨日の民主党代表選という権力闘争において、「不透明」な役割を演じた。

<民主代表選>馬淵氏の対応、NHKが誤報 決選投票中継で

毎日新聞 8月29日(月)23時7分配信
 NHKは29日、民主党代表選の決選投票の中継で、馬淵澄夫前国土交通相の対応について「海江田万里経済産業相以外の候補」を支援すると誤って伝え、後に「海江田氏に投票」と訂正した。馬淵氏は代表選後、「海江田氏に投票した」と記者団に語っており、決選投票の結果に影響した可能性がある。

 NHKは同日午前11時から民主党代表選を生中継。決選投票の開始後、アナウンサーが「馬淵前国交相は今日午前の出陣式で、決選投票になった場合は海江田経産相以外の候補者に投票するよう陣営に呼びかけた」と実況した。

 その後、同じ番組の中で政治部記者が「正しくは馬淵さんが『増税すべきでなく、決選投票になった場合は、私の政策に近い海江田さんに投票していきたい』と表明した」と放送内容を訂正した。

 NHK広報局は「馬淵氏の決選投票への対応については投票開始後に伝えたが、その後、取材情報に基づいて改めて馬淵氏の対応を伝えた」とコメントした。


もともと、今回の民主党代表選はその構図からして「不透明」だった。対決の主軸は小沢vs反小沢。マスメディアもここだけは「透明化」していていたが、そこへ至った過程は「透明化」せぬまま。なぜ小沢が海江田支持という「不透明」な行動に出たのか、なぜ小沢が党員資格停止となったのか、なぜ小沢やその秘書達が刑事訴追を受けることになったのか、民主党代表選を「不透明」な構図へと導いてしまったその過程をなんら「透明化」することはなかった。ただ、権力闘争を「不透明」と喧伝するだけ。

そして、このNHKの「不透明」な挙動。これがどういった意図を持ってなされたのか、はたまた格別な意図はなかったのかは「不透明」だけれども、もともと「不透明」な民主党代表選をさらに「不透明」なものにしてしまったことは間違いない。そしてNHKの「不透明」な挙動は、NHK自身も「不透明」な権力闘争に参画している可能性を浮かび上がらせてしまう。

これら「不透明」な過程を経て、明瞭になった結論はなにか。再度の原発推進と増税であろう。不透明な社会の重圧感がますます高まってゆくことは明らかだ。

では、どうすれば?
何もしないという選択をするか?
〈闘争〉をするという選択をするか?
別の土俵を選ぶという選択をするか?

コメント

何にも知らなくてごめんなさい

決選投票、中継で観てました。(3・11まで国会中継など観たことがありませんでした・汗)
NHKは何度も、馬渕陣営では午前中の出陣式で、決選投票になったら、海江田氏以外の候補者に
投票することを決めているというニュースを伝えていました。

それを聴いて、私は、野田氏が勝つのだと思いました。
(同時に、鹿野氏の陣営もそうだと言っていましたから)
そして、訂正があったのは全部が終わって大分経ってからでした。
(数が合わなかったから、馬渕陣営に問い合わせたのかな、と思いました。)

随分ずさんな取り扱いだと思いましたが、やはり問題でしたね!

ここからが「何も知らなくてごめんなさい」なのですが、
私には、小沢さんがかくも愛されている理由がよく分からないのです。
(特に知識人に)
小沢さんの魅力について、教えて頂けたら幸いです。少し目の前が透明になるかも知れません。(笑)

マスゴミの想定内な非常識

前回の小沢VS菅でも、マスゴミの非常識な報道は常態化していましたし、投票直前の投票に影響を与えよとする悪意の報道も実績を残しています。
今回も出来る限り影響を与えようと、マスゴミのお役目を果たすために狙っていたことでしょう。
民主党の代表選挙は何でもアリの不正選挙の香りがします。
私は、そのような報道は予想し、選挙対策するように特定の民主党政治家には警告メールをしました。
選挙結果に影響を与えなかったとしても、マスゴミNHKの非常識な対応を忘れないで批判しましょう。

私にもよくわかりません

・amerieさん、おはようございます。

ほう、中継ご覧になってましたか。

私には、小沢さんがかくも愛されている理由がよく分からないのです。

私にも愛されている理由はよくわかりません。支持されている理由なら想像がつきますが。

でも、見渡してみると確かに「小沢・ラブ」な支持者が多いのも事実。フランスあたりでナポレオンが“愛される”理由と同じなのかもしれませんが、私にはよくわかりません。

小沢氏が支持される理由、というか、私が支持する理由を書きますと、それは「透明な〈闘争〉」を求める民主主義者だからです。政治主導というのは、そういう意味であり、知識層に支持者が多いのもそのあたりが理由でしょう。

とはいえ、知識層にだって反小沢の人は多い。そういった人は〈闘争〉を嫌い、〈闘争〉とは無関係な部分での小沢氏の「不透明」を嫌う。しかも、たいていはマスメディアによってクローズアップされた「不透明」に嫌悪の感情を向ける。日本人の感情表現は自己表出ではなく周囲との「調和」が目的だったりすることが多いのですが、小沢嫌悪もその類だと私は思っています。

嫌疑がかかっている資金疑惑なんか「不透明」なところですね。私は、嫌疑がかかっている部分はともかく、小沢一郎が資金的な部分で完全にシロだとは思っていません。でも、そんなグレーなところは誰にだってある。誰にだってあるからいいというわけではないんですが、議会という場での「透明な〈闘争〉」には直接関係がないんです。そこが大きい。

有権者はいろいろな理由や思惑でもって議員を支持します。小沢嫌いは「不透明な思惑」嫌いなんですね。自身だって「不透明な思惑」の世界にどっぷり漬かっているくせに。

次のエントリーで権力者について定義しましたが、小沢嫌いの有権者というのは、要するに権力者なんです。“「不透明」はよくない”という「理念」を他者には適用するが自らは埒外へ置く。でしょ?

とはいうものの、一言付け加えておきますと、私が小沢氏を支持するのは、民主主義者としての立場に立ったときのみ。私は基本的にアナーキストですから、その立場に立てば小沢支持者ではありません。

ますますエスカレート

・scottiさん

なるほど想定内ですか。

しかし、私にはサプライズでしたね。なにか仕掛けてくるのは想定してましたが、あの「誤報」には驚きました。

もっと驚くべきは「誤報」が問題ならないことなんですが、でも、それは想定内だったりすることが哀しいです。

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