愚慫空論

都合の良い原子力

最初、タイトルを『原子力の効用』にしようかと思ったが、やめた。

使い方によっては、誰もが便益を享受できる。
その技法も確立されている。
“効用がある”と言えるのは、そんな場合である。

原子力に効用はない。
原子力にあるのは、都合が良いか悪いか。
原子力を都合良く利用する側にいるか、いないか。
その区別しかない。

原子力は小さな燃料で巨大なエネルギーを生み出す。
それが原子力の唯一の長所。
原子力の長所はそれしかない。

原子力の用途は爆弾と発電。主としてこの2つ。
原子力は巨大なエネルギーを発するがゆえに、その利用法は原始的なやり方に限られる。
エネルギーをそのまま放出させて爆弾にするか。もしくはお湯を沸かすか。

蒸気でタービンを回せば発電ができる。
が、お湯は再利用は難しい。汚染されているから。
従って、効率を上げることが難しい。


小が大を生み出す原子力は我々に夢を与えたこともあった。

小で大を動かすことを便利という。
便利な社会を望んだ我々には、原子力は未来であった。

小で大を制することを支配という。
支配を望んだ者にとっても、原子力は未来であった。

便利を追い求めようとすると、果ては自然を都合良く支配しなければならない。
我々は原子力を使えばそれができると期待した。
それが無謀な期待であったことに我々は気がついた。
無謀な企ては我が身に災厄となって降りかかってくることに気がついた。
だから、原子力は我々にとって都合の悪いものになった。

しかし、未だ原子力を都合良く利用しようとする者たちが存在する。
彼らの目的は支配であろうか。
だとするなら、誰を支配しようと企てているのだろうか。


国家は核の保有を意図する。
名目は平和であり、他国の支配へ対抗。
国家は常に支配を平和や秩序に言い換える。
そして核とは原子力の別名であり、中身はほとんど変わらない。

国家を率いる者たちは支配する意図などないと言うだろうし、それはそうなのかもしれない。
だが、我々は思い出さなければならない。
我々も自然の支配を意図していたわけではなかったことを。
ただ便利を追い求めていただけであることを。
それが意図せざる支配になってしまっていたことを。

自然からの逆襲を恐れるなら、我々は都合の良いものは放棄しなければならない。
それは支配の放棄であり、同時に支配からの脱却でもある。
原子力の放棄はその第一歩でしかない。

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