愚慫空論

犬の後ろ姿に感じる不安

ここのところ、ずっと私の頭の中に居座り続けている「絵」がある。

井上孝治01


3月20日にETV特集で放映された
 『思い出の街が甦(よみがえ)る~写真家・井上孝治の世界~』 の中のヒトコマ。どうやら

想い出の街想い出の街
(1989/08)
井上 孝治

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の最後のページに掲載されている写真であるらしい。

この犬はいったい何を眺めているのか。
それとも、何かを待ち続けているのだろうか。


井上孝治という人は、どのような人だったのか。

戦後日本の生活を撮ったカメラマン。ろう者だったというものの、画面からは生活の音があふれている。鼻をたらした子どもや、ぼさぼさの犬、働く大人、未舗装の街。郷愁だけではなく、生きる人の匂いに惹き付けられます。

カメラ点を経営しながら昭和30年代の街と人々の暮らしを撮り続けたアマチュアカメラマン。福岡の人だったらしい。



(左上は撮影する井上孝治さん。以上、NHK・ETV特集のHPより。)


井上孝治写真館HPより

私は昭和40年代の大阪生れだが、これらの写真から伝えられる雰囲気にはなんとなく憶えがある気がする。さすがに街頭テレビを大勢で集まって観た記憶はないけれども、素っ裸になってみんなで水遊びをしたようなことはあったかもしれない。


そんな感触があるからだろうか、冒頭の「絵」の犬は昔の面影を眺めているような気がしてならない。そして少し寂しげな感じがする。

この寂しさは、1ヶ月前だったらば感じられなかったものかもしれない。寂しげに感じさせるのは、おそらくは私の中に巣食ってしまった不安だろう。

不安が、懐かしさを寂しさに変質させてしまった。

コメント

何が見えていますか?

何が見えていますか?
過去ですか?未来ですか?

不安

 犬の写真、いい写真ですね。なんちゃてふぉとグラファのワタシには、これは撮れないなぁ。荒廃した町と真っ直ぐな道路と背中でものを言う犬かぁ。昔か今か

 不安、、、かぁ、何か愚樵さんらしくない言葉だなぁ、、、笑。
 不安、、、うん、似合わない言葉だ。
 何が不安なんだろう?

 そういえば、新しい連ドラで、「戦前に「戦前」という言葉はなかった」という台詞がありましたね。いつか今が、◯前という言葉で表されるのか?それとも◯がずっと続くのか、、、不安定なときは続きそうですが、、、

過去に削り取られてゆく未来

・scottiさん

おはようございます。返事が遅くなってすみません。どう答えたらよいか、言葉が浮かんでこなかったのです。

過去に削り取られてゆく未来

私たちはホーシャノーを見ることは出来ませんが、ホーシャノーは確実に私たちの〈未来〉を削り取ってゆきます。未来は個人個人には確定的にはわからない。確率論的にしかわからない。が、私たち全体(社会)では確定的。視線の先にあるのは貧しい社会です。

しかし、貧しい社会が良くない社会というわけではありません。3.11の前なら、視線の先にあったのは貧しいが希望がたくさんあった良い社会だったでしょう。それを懐かしさと寂しさを伴って眺めている。そんな感想を持ったに違いありません。

ですが今は、懐かしさ、寂しさよりも不安がどうしても先に立ってしまいます。

不安が身体化した

・毒多さん

不安は私には似合いませんか? ははは、それはどうも。

でも私が「ずっと危惧を抱いていた」と言えばどうでしょうか? 私はそのつもりだったのですが、そこは感じ取って頂いていたでしょうか?

「過去に削り取られてゆく未来」。〈システム〉は過去をもって未来を削り取ってゆくのが仕様です。そんな〈システム〉が全域化してしまっていては、長くは持つはずがない。必ず崩壊する。いえ、すでに崩壊しつつあったのです。その予兆はすっとあった。害悪を撒き散らしつつなんとか留まっているが、何かきっかけがあったら一気に崩壊が進むに違いない。

此度の天災+人災は、おそらくはそのきっかけです。確固たる根拠はありませんが、そう感じています。崩壊の始まりです。アタマで考えていた危惧が現実化した。だから、危惧が身体化して不安になった。

ただ注意していることはあります。それは常々批判している「権力志向」です。私自身の権力志向。アタマに抱えている思考は、それがいかなるものであれ、実現すればよい、実現させたいと希求してしまう。そういった志向です。つまり抱いていた危惧が実現すればよいと考えてしまう。

私の不安も、もしかしたら「権力志向」の希求から危惧が自己増殖してしまったものであるのかもしれません。だとするならそれは妄想でしかない。もちろん、現状が現状ですから幾ばくかの不安は間違いなくありますが、「崩壊の始まり」なんていうのは妄想かもしれない。また、妄想であって欲しいとも思います。

妄想かそうでないかはいずれわかります。さほど遠い未来のことではないでしょう。

節電も悪くないです。(笑)

テレビが電力不足に対応するために節電を呼びかけていましたが、私は需要期に足りないのなら、テレビの放送を昼間止めれば解決するだろう、と提案をしました。
総務省も私の案に賛成を示したようで、テレビに昼間の自粛要請をしているようです。
節電も金権テレビを止めるのなら悪い話ではありません。
昼間も深夜も、各テレビ局の放送は一日12時間程度に限定すればいいと思っています。
真実を伝えない金権テレビが社会の疲弊を加速しています。
でも出口は見えてきたように思います。
光が遠い先にうっすら見えている気がします。

そもそも節約は悪くない

・scottiさん

節電も金権テレビを止めるのなら悪い話ではありません。

節電にそういった「オマケ」をつけるようにするのはいいですね(笑)

しかし、庶民はその「オマケ」の価値に気がついてくれるかどうか。気がつかなければ、テレビを見たいから原発を運転しろと言いかねません。東京ではその手の主張をしそうな人がまた当選しましたしね。なかなか光が見えてきそうにない...

節電に限らず、節約はもともと良いことです。「もったいない」は、生きていくための術だった。ところが現代は違います。無駄遣いが奨励される社会になってしまっている。自粛を批判する意見も多いですが、その意見は無駄遣い社会を無批判に前提としているものが大半のように思えます。

金権と無駄遣い社会とは根っこで深く太く繋がっています。私たちはそんな社会に絡め取られ、首までどっぷり漬かっている。だから原発は止らないし戦争もなくならない。

光が遠い先にうっすら見えている気がします。

scottiさんが見ておられる「光」は、どのような像を結んでいるのでしょうか?

犬と同じ景色が見える

生死に関わる危機に、ウソとホント、偽物と本物を嗅ぎ取る感覚が呼び起される事に期待しています。
私自身は、日々、少しの食事が摂れて、お風呂にゆっくりつかれたら、あとは愛犬が一匹いれば十分です。
いつも犬と同じ景色が見えれば満足です。

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