愚慫空論

誰が隠したのか ~『隠された米軍』

昨日放映されたNHKスペシャル『シリーズ日米安保50年 第1回 隠された米軍』

“隠された”なんてタイトルですけど、もちろんのこと、隠した者がいるわけです。では、誰が隠したのか。
この番組で明らかにされるのは、隠したのは日本政府だということ。

米軍を隠す。具体例として挙げられるのは静岡県の東富士演習場。戦後、米軍の演習地として接収されていた土地を日本に返還し、自衛隊の管理とする。ただし、米軍はいつでも、米軍基地と同様に自衛隊の演習地を使用できる。その法的根拠を日米地位協定の記述を拡大解釈することで確保する。そして、その提案をしたのは日本の側であった、ということ。(「地位協定2-4-B」問題

これは妙なことだ、と思いました。

1960年代、アメリカは一般の日本国民の反撥を怖れていた。60年の安保闘争の結果です。そこで、アメリカは「親日家」ライシャワーを駐日大使として送り込んだ。そのライシャワーは、一部先鋭的な共産主義者が主導した部分があったとはいえ、闘争を支えていたのは一般国民の反戦意識だと分析した。そして、日本国民を米軍に“慣れさせる”ことを画策した。

その画策は、原子力潜水艦や空母については成功します。佐世保などでの入港反対デモの主体が学生であったことを分析し(米軍がこのような「分析」をどのように行なっていたのか、大変興味のあるところですが)、国民の反核アレルギーを徐々に沈めていった。

そんなライシャワーが「親日家」とはよく言ったものですが、それはともかく、アメリカに属するライシャワーがアメリカの利益になるように行動することは理解できなくはない。

が、日本政府の行動は理解しがたいものがあります。なぜ、率先して米軍の存在を隠したのか。その動機がよく理解出来ません。

番組には“大勲位”中曽根康弘カッカも登場なさっていました。米軍隠し、すなわち演習場の共同利用は、日本がアメリカから自立する――自分の国は自分で守る――ための第一歩だったと宣うておられた。が、番組の最後には、東富士演習場の米軍使用は事前申告があるだけも年間300日を越え、その実態の詳細は日本政府も把握していない、とナレーションがあった。ということは、米軍を隠したのは、結果として、対米自立ではなく、隠蔽された対米従属を促進したということになります。カッカはそのことを自覚しておられるのでしょうか?

おそらく自覚されているのでしょう。であるからこその“大勲位”なのでしょう。ただ、その“大勲位”の本当の 意味もまた“隠されている”。

本当の意味が隠された勲位なんか頂戴して、嬉しいものなのでしょうか? そこも私にはよく理解出来ません。

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