愚慫空論

消費税増税がダメな理由を考えてみた

まず言われるのは、

・消費税は逆累進性があるから

でも、私はこれは正中を射ていないような気がします。というのも、この逆累進性は補うことが可能だから。

・生活必需品の税率を下げる
・生存に必要な最低消費額を定めて、消費税の還付を行なう

など、方法はいくつか考えられます。
(菅首相もその点について発言しているみたいです。ただの「発言」だけかもしれませんけど)

消費税増税の理由は社会保障費の増額ということですが、ならば、増税で得た財源で増税で生じた逆累進性を上回る保障を行なうことも可能なので、「大きな政府」を支持するのであれば、消費税の逆累進性がそのまま消費税増税はダメという理由にはなりません。逆に考えれば、消費税増税は所得再配分の理由付けにすることだって出来きるはずです。「大きな政府」とは大きな税収と大きな支出ですから。

私は基本的にアナーキストですので「大きな政府」には与しませんが、今の現状からいえば「大きな再配分」は必要だと思います。ならば当然「大きな税収」も必要。消費税は取る場所を間違えている、と思うのですね。デフレの状況下で消費税は大変拙いと思います。

デフレということはどういうことか? 経済が縮小しているということです。しかし、一方でGDPは伸びている。いや、2008年からの金融危機でGDPは縮小しましたけれども、それ以前はデフレとGDP増加という現象が並列していた。GDPの増加とは経済成長ですからデフレと矛盾するのですが、これは要するに、全体としてのお金回りは良くなったが、一部では巡りが悪くなった。その「一部」が私たち庶民に大きく関わる「実体経済」だということ。で、リーマンショック以降は、経済全体が縮小したので、もともと巡りの悪かった部分が更に巡りがわるくなった――と、そういうわけです。

デフレつまり物価が下がるというのは、モノに対するカネの量が減ったということ。一方でGDP増加とはカネは増えたということを意味する。ということはモノとカネとが循環する実体経済は縮小したにもかかわらず、カネだけが巡る金融経済は増加して、実体経済+金融経済(=GDP)は増えた。つまり

実体経済↓ 金融経済↑↑

という現象が起こっている。このことがいわゆる「経済格差」の震源であるわけです。

現在、南欧や東欧あたりでまたまた危機が表面化しているらしいですが、それでもぼちぼちGDPは増加しつつあるとは聞きます。が、デフレは相変わらず。で、消費税というのは実体経済への課税です。税はどんなものであっても経済を弱体化させるものですけれども、今の情況での消費税は、巡りが悪くなって弱っているところから取ろうというもの。しかもそれは庶民の生活に直結する部分。それがいいわけがないのです。

現在、菅首相は強い経済、強い財政、強い社会保障をかかげて選挙戦を戦っています。強い社会保障には強い財政が必要だし、強い財政には強い経済が必要。が、消費税増税では強いは作れない。政府がテコ入れをして強い経済を作るのだ、なんて言ってますけど、そんなことが出来るわけがないんです。経済を拡大させるのは、いつの時代も「民」であって「官」ではない。「官」が「菅」だからといってその法則は変わりません。政府ができるのは再配分であって“それは巡りの良いところから取って巡りの悪いとこへ流す”、というのが役割。その後は「民」の仕事です。どうもそこのところが解っていないような気がします。
(もっとも、今「民」で一番力をもっているのが金融資本ですが。)

**********************************

カネを金融経済から実体経済へ流す。その意味で所得税の累進課税強化は良い方法です。高額所得者は消費性向が低い――、つまり高額所得者ほどカネを金融経済へ流す。だから所得税累進課税強化は金融経済→実態経済のカネの流れを生むことになります。

が、もっと面白いのは、『静かなる革命2009』の馬場さんが提唱しておられる一般取引税(金融取引課税)でしょう。
(http://www.aya.or.jp/~babalabo/DownLoad/TransactionTax.pdf)
これは金融経済をほぼ直撃することになりますし、金融経済の巨大ゆえに小さな実体経済への消費税課税が必要なくなる、というものです。

また、オバマ大統領率いるアメリカではこんなのも出てきています。

『オバマ大統領、8兆円規模「金融危機責任税」』(YOMIURI ONLINE)

金融危機のおかげで実体経済は打撃を受けたばかりか財政出動でその尻ぬぐいまでさせられている。それからすれば、この程度は当たり前の話なんですが。

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 消費税増税をするくらいなら国債発行の方が良いのかも知れません

国債の販売を国内の団体・個人に限定することが条件ですが、 消費税増税よりはましだと思います。 消費税は最も貧しい者からも徴収しますが、国債は余裕の有る者・団体しか買いません。 例え国債が債務不履行になっても所詮この期に及んで国債を買える余裕の有る方々です

増税は必要だが消費税ではない

 菅総理が「増税が経済を活性化することもある」と言ったのは正しい。余っているところから税を取って足りないところへ回せば、確実に経済は正常化するし、それが政府の役目というものだ。今の日本の財政大赤字は、税収を半減させる大減税から始まった。「新自由主義...

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