愚慫空論

情報は余剰物になった

まずは「余剰物」の定義。

使用価値はあるが交換価値はゼロのモノ・サーヴィス

これまで「余剰物」といえば、例えば豊作すぎて廃棄されることになった農産物。市場に供給すると価格が下がりすぎてしまい、農家の収支が赤字となります。

そうした「余剰物」は、容易に贈与に回されます。せっかく育てた作物を捨てなければならない羽目に追い込まれた農家に、“捨てるならください”と申し出れば喜んで分け与えてくれるでしょう。

現代、ネット上にある情報は、基本的には「余剰物」になってしまいました。
交換価値、すなわち価格は“フリー”。しかし、使用価値までなくなってしまったわけではない。

使用価値の高い情報は、ネットの複製技術により“フリー”を強いられ、半ば強制的に贈与物とされます。
おなじ「余剰物」でも農作物と情報との間には違いがあって、それは、最初から「余剰物」を生産する農家はいないが、情報発信者は最初から「余剰物」を生産するという違いです。

この違いは、モノの原理と情報の原理の違いに由来するものです。すなわち「モノの原理は専有」「情報の原理は共有」です。


貨幣の使用価値はそもそもゼロですが、交換価値はいくら多量にあってもゼロになることはありません。
貨幣とは、交換価値そのものだからです。

交換価値がゼロの「余剰物」と交換価値そのものの貨幣が等価交換なされることは原理的にもありえません。
「余剰物」の交換は、贈与の交換になります。

では、貨幣を介した「余剰物」の交換は不可能か? いいえ、貨幣が「余剰物」になれば贈与の交換、すなわち贈与経済が生まれる可能性が出てきます。

では、貨幣が「余剰物」となるには? 
貨幣が「余剰物」になりえない原因は、貨幣の価値保存機能と価値測定機能にあります。
ですから、価値保存機能と価値測定機能のない貨幣ならば、「余剰物」となりえます。

減価する貨幣には、価値保存機能と価値測定機能がありません。
減価する貨幣は、貨幣でありながら「余剰物」なのです。
減価する貨幣はに交換機能はありますから、「余剰物」の交換を媒介する機能は存在します。

減価する貨幣は、贈与経済を実現させる可能性を秘めています。

コメント

 お久しぶりです。ずっと難しすぎてよくわからなかったのですが今回の記事は少し教えていただけばわかるかも知れません。「減価する貨幣」とは、たとえば福沢諭吉になる前の(誰だったか?)1万円札は来年からは使えなくなりますよと決めたとしてその1万円札のことですか。

秘密だから値打ちが有るインテリジェンス

本当に価値有る情報(インテリジェンスIntelligence)は『極秘』『機密』扱いとされるのです。共有されているのは情報ではなく『報道』でしかありません。
日本では(多分世界中でも)みんなが知っている『知識』は、誰も『情報』とは呼ばないでしょう。
愚樵さんの指摘している『情報』なるものは、実は広く市民に知らされる『報道』とか『宣伝、広報』の事で、一見すると区別がつき難いが『情報』に比べれば全く無価値に近い代物。
誰か個人とか組織が独占的に知っている知識は『情報』で、これにはとてつもない大きな価値と力が有り、持っている者に絶大な特権的な権力をもたらす可能性が有る。
だから現に『情報』を握っている人たち(組織)はなるべく外に漏れないように最大限注意するものです。
世界各国の情報組織(機関)の役目は、大事な情報を集めて分析する以上に、その集めた『情報』を一般に漏らさないようにすることなのです。
何故なら如何に大事な価値有る『情報』でも、『力』が有るのは機密の時だけで、一般市民が知った段階で『情報』は『報道』に変化して仕舞い『力』も『価値』も失うものだからです。
日本の特権的キャリア官僚の『力』の源泉が、この『情報の独占(隠蔽、秘匿)』であり、極最近も検察官僚が極秘情報の端くれを小出しにすることでマスコミや市民の世論を自由自在に誘導することが出来る事を証明して見せた小沢一郎金権疑惑騒動を見れば、誰でもこのことは一目瞭然です。

減価する貨幣とは

あかねさん、お返事が遅くなってしまって、大変申し訳ありません。

「減価する貨幣」の詳しい解説はこちらをご覧になってください。

wikipedia:「自由貨幣」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%94%B1%E8%B2%A8%E5%B9%A3

他にも「スタンプ貨幣」「自然通貨」などで検索していただけると、いろいろと情報が出てきます。

また身近なところでば、さまざまな企業が発行している期限付き「○×ポイント」といったものが実は「減価する貨幣」に相当すると考えられます。

information or intelligence

面影さん

>愚樵さんの指摘している『情報』なるものは、実は広く市民に知らされる『報道』とか『宣伝、広報』の事ですよ。

ええ、その通りですよ。私が「情報」と呼んでいるのは“information”のことであり、面影さんの場合は“intelligence”でしょう。

>何故なら如何に大事な価値有る『情報』でも、『力』が有るのは機密の時だけで、一般市民が知った段階で『情報』は『報道』に変化して仕舞い『力』も『価値』も失うものだからです。

これもおっしゃるとおりですが、認識にズレが生じるのはやはり“information”か“intelligence”かの違いですね。

一般に販売されている書籍や新聞に掲載されているのは“information”です。今までは“information”も貨幣との交換で手に入れるものだったのが、それがネットの出現でかなりの“information”が「フリー」で入手できるようになった。私はその現象を指して、「“information”は余剰物になった」と言っただけです。

情報への誤解

誤解しておられる。「情報」は幻想であります。謀略も密約も恫喝です。報道はもっと明確に嘘です。つまり恫喝と嘘(芸能フクション)によって政が成立しているのです。労働の収奪の理由として根も葉もない権威(天皇)とか虚の娯楽(報道)を情報として流布してきたのであって、そもそも「価値」がない。がゆえに余剰もなければ過剰もないのであります。衣食住以外に価値なし。近代人(アルタミラの石窟壁画依頼)は情報という幻想に弄ばれすぎましたね。

余剰と貨幣

「余剰と貨幣」について、つらつら考えているのですが、「余剰」というのは現近代社会においては大きな役割を果たしていると思います。つまりGDPで考えますと、ある1年で消費しきれなかった生産物やサービスのことですから、それは投資(在庫、固定資産)の形で存在しますし、それに見合った貨幣が存在しているはずです。ちょっと分からないのがサービスですが、サービスは余剰という形では存在しませんが、貨幣がサービスを請求する権利として形を変えて存在している考えることはできないでしょうか。

Re:余剰と貨幣

春日の老人さん、こんにちは。

>「余剰」というのは現近代社会においては大きな役割を果たしていると思います。

春日の老人さんがお考えになっている「余剰」と、私が定義した「余剰物」は別物です。

>つまりGDPで考えますと、ある1年で消費しきれなかった生産物やサービスのことですから、

「余剰物」は交換価値0、すなわち価格0です。ですので、GDPに集計されることもありませんし、在庫として計上されることもありません。

私がここで取り上げているのは「ネット上の情報」ですが、別のたとえで言うと、消費期限切れの商品です。コンビニで廃棄される弁当などを思い起こしてください。いまだ食することはできるのに、廃棄しなければならない。廃棄するということは、価格は0だと設定されるということ。私がここで取り上げているのはネット上の情報ですが、ネット上では情報は、初めから廃棄物と同じだということです。

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