愚慫空論

パトリオット=〈一次意思〉 ナショナリスト=〈二次意志〉

『ナショナリストとパトリオット』(内田樹の研究室)
パトリオットは自分がその集団に帰属していることを喜び、その集団を律している規範、その集団を形成した人々を愛し、敬しており、その一員であることを誇り、感謝している。

彼はどのような集団にもそのような仕方では帰属していない。

(中略)

誰でも自己申告すれば、ナショナリストになれる。
そして、国民国家という巨大な集団に帰属する代償として、ナショナリストに求められるものは何もないのである。

〈一次意思〉〈二次意志〉については

『〈一次意志〉〈概念〉〈二次意志〉』(愚樵空論)
『〈一次意思〉に善悪はない』(愚樵空論)

を参照してください。
パトリオット〈一次意思〉の喜びは、包有的。一体感。が、帰属を望む集団からの共認いう条件が必要。認知による自在感が自由の条件であり、自由自在。

一方、ナショナリスト〈二次意志〉に必要なの外形的な条件を満たすこと。例えば日本国籍を有すること。共認は必要ない。そして〈二次意志〉の喜びは、排他的。優越感。自在感なき自由。自由であるほどに孤独。

〈二次意志〉は人間が〈概念〉を生み出すことによって生じるもの。〈概念〉は虚構と言い換えてもよく、すなわち〈二次意志〉は「虚構への意志」と言い換えることができる。また、虚構を現実たらしめるのは権力であるから、〈二次意志〉とは「権力への意志」だとも言える。

(「権力」という表記が興味深い。「権」とは“ごん”と読んで“仮に”の意味を有する。すると権力とは“仮の力”という意味、もしくは“仮のものによる力”という意味になる。虚構が力を持つことが権力だと言うことができる。)

コメント

日本語では愛国と国粋となりますか

わたしは自分を愛国者であると思っていますが、残念ながら私の世代では、どちらもほぼ同じ意味で捉えられるのがオチで、いづれの場合も「悪い」意味ですね。

個人が共同体のために、そして、共同体が個人のためにある時、構成員が愛国(愛共同体?)心を抱くことは当然過ぎて、わざわざ書くのも憚られる気がするほどですが、現実はそうでもないのですから、世の中狂ってるとしかいいようがないです。

でもこれから、愛国の人たちは増えるでしょうね。そういう感じがします。

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