愚慫空論

ジバン・カバンはダメだがカンバンはよい

「ジバン・カンバン・カバン」とくれば、政治家の世襲問題です。民主党の新代表に鳩山氏が就任して一週間余り、麻生首相が逃げ回る解散ももう後がなくなってきて、選挙を睨んだ与野党のつばぜり合いが始まった様子。その焦点のひとつが議員の世襲問題なのは周知の通りでしょう。

私は議員の世襲には必ずしも反対ではありません。議員の世襲に弊害が多いのは認めざるを得ませんが、この問題は最終的には国民の選択にかかるものであり、主権者が国民である以上、そして選挙は主権者の意思表示である以上、そこを法で制約を設けるのは好ましくない。世襲議員の弊害を無くすには法規制が手っ取り早くコストもかからないけれども、民主主義の原則を歪めることはあとあと大きなコストを要するようになる――と、このように考えていました。


今でもこの考えは基本的に変わりません。しかし、これだけでは大きな見落としがあることも認めなければならないと考えるようにもなりました。その見落としとは「法の下の平等」、すなわち、政治を志して立候補する者のスタートラインが世襲議員とそうでない者と間に大きな格差があることです。候補者が有権者の信頼を獲得して当選するには掲げる政策等の優劣もあるでしょうが、それ以前に候補者そのものが広く有権者に知られていなければ、いくら掲げる政策が優秀でも当選はおぼつかない。世襲議員は、そうしたスタートラインで他の候補者より圧倒的に優位にあるのは間違いありません。国民の選択が重みを持つのは国民がキチンと候補者を選択するからであって、そのためにはスタートラインはできるだけ同じ方がよい。世襲議員の「ジバン・カンバン・カバン」は格差であり、この格差は有権者にとっても好ましいものではないといわざるをえません。

そこで「「ジバン・カンバン・カバン」のどれを規制すべきか、どれは規制してはならないのか、という方向で考えていきたい。「ジバン」=支持団体、「カンバン」=知名度、「カバン」=資金だとすると、どれを規制すべきかは明らかでしょう。

まず「カンバン」ですが、これは規制することは出来ません。親が議員だからと子が議員を志してはいけないとは出来ないし、親がよい政治家だったから子にも期待するという有権者の選択もありえるからです。なにより誰を親として生まれるかは子には選択できないことですから、その選択できないことを理由に権利を剥奪するのは、差別に他ならない。有力議員の子どもであるという「カンバン」は、知名度という点で他候補との格差にはなりますが、ここは仕方がないでしょう。

しかし他のふたつの点、「ジバン」「カバン」すなわち支持団体と資金については規制することを躊躇う理由はないと思われます。むしろこれらを親から当然のごとく譲り受けられるということは、民主主義の原則に反するように思います。 「カバン」=資金の譲り受けの不公正については、すでに一部でも報道がなされているとおりで、政治団体の資金が親から子に受け渡されるときに(親から子だけに限らないようですが)、これが全くの非課税というのは甚だしく「法の下の平等」に反する行為でしょう。これは直ちに是正しなければならないと考えます。

そしてさらには、団体そのもの譲り受けについても規制を設けるべきでしょう。支持団体の代表者、つまり候補者が変わったときには、その団体の主だった幹部は任を引き継いではならない。そうした規制を設けるべきだろうと考えます。

この2つの規制が為されれば、私は民主党が主張する同一選挙区からの立候補禁止といった規制は必要ないと考える。この規制はむしろ、いちばん肝心な「カバン」の譲り受けを見逃してしまうのではないかと懸念します。

コメント

民主党案には

世襲議員を規制する民主党案では、問題のカバンの非課税も止める内容が盛り込まれるようです。
野田幹事長代理は、今国会に提出すると発言されていたと思います。

てっとり早いのは

『同一選挙区での立候補禁止法』を制定すること。
国政選挙なのだから、有権者も「誰に国政を委ねるのが良いか」という視点で投票をするようにしないといけないが、日本国民は、私が述べているように「日本人に民主主義=豚に真珠」状態なので、とても期待などできない。

『政治資金規正法』を大幅に改正すること。
「同一企業・同一法人の所属割合が、全構成員の5%を超えるときは、その企業名・団体名・法人名を明記すること」
「同一業種の所属割合が、全構成員の5%を超えるときは、構成員が属する業種を明記すること」
「連結子会社は、業種の関連性および取引実態を問わず、親会社と同一企業の所属とする」
この3つを支持団体に課せば、仮に「国策捜査」をするにしても、小沢問題などは不可能だっただろう。

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