愚慫空論

エコポイントはやめろ

引越しを機に私のところでは地デジTVを購入したのだが...、その矢先にエコポイントだって(怒)

エコポイントは商品券と交換 政府方針

5月12日10時48分配信 産経新聞

 政府は12日、省エネ家電への切り替え促進策として追加経済対策に盛り込んでいる「エコポイント」事業について、消費者が省エネ家電を購入した際に獲得したエコポイントを全国で使える商品券と交換できるようにすると発表した。

 「エコポイント」は省エネ製品の購入など環境に配慮した行動を取った場合に与えられ、他の商品の購入などに使える仕組み。還元対象は、冷蔵庫、エアコ ン、テレビなど一定の省エネ基準を満たした製品となる。地デジ対応の薄型テレビのポイントを大きくすることで、2011年7月に迫る地デジへの完全移行を 促す狙いがある。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090512-00000529-san-pol

私の個人的な妬みは脇に置いておきまして、おかしいなと思うのは「エコポイント」という制度の名称。

 “「エコポイント」は省エネ製品の購入など環境に配慮した行動を取った場合に与えられ、他の商品の購入などに使える仕組み。”

エコを名目にカネを使え、というだけのことでしかありません。この制度の背後にある思想は、「エコは大事だけど経済はもっと大事」。本末転倒です。環境の方が経済なんかよりずっと大事。環境なくして経済なし。絶対の法則ですが、それがひっくり返っている。

 経済よりもエコが大切というのなら、エコポイントが配布されるべきなのは、冷蔵庫もエアコンもTVも使わない人。あるいは、使うことが出来ない人。当たり前でしょう。余計な消費をしないことが最大のエコなんだから。ところが経済は、特に現代の経済は、余計な消費をすることで成立している水ぶくれ経済です。その水ぶくれを維持しようとして「エコ」なんて言葉を都合よく使っている。なるほど、省エネ製品は従来品より多少はエコになるのかもしれないけど、水ぶくれ経済をなんとかする方がよほどエコです。環境問題を主軸に据えて考えるなら、水ぶくれ経済を環境が負担に耐えられる適正規模にダウンサイジングしながら、その過程で生じる歪みをなるべく小さくするように政策を実行するのが本当のはず。そうした政策に「エコポイント」は正しいでしょうが、経済の水ぶくれを維持して環境負荷は2の次では、「エコポイント」の名が無くでしょう。

それにです。問題はこの政策の財源。一時的には借金でしょうが、その借金を返済するために消費税があがると言われている。消費税は、環境負荷の少ない経済活動をしている者にもかかってきます。TVやエアコンを使わないで暮らしている人、使うことが出来ないで生活している人にだって、生活に必要な商品を購入する際には賦課される。つまり、このエコポイント制度は、もっともエコな生活をしている人には負担だけしかない制度。そして、エコな生活をしている人は大抵低所得者ですから、エコポイント制度は、低所得者から高所得者への所得移転に他なりません。格差拡大の制度です。

格差拡大といえば思い浮かんでくるのは「生存権」という言葉。日本国憲法第25条1項に「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定されているものです。この生存権は、環境の視点で考えれば、ひとり一人の人間が「環境に負担を欠けることが出来る権利=環境消費権」とすることが出来ます。人間は環境に負担を掛けることなしに生存していくことは出来ませんし、また、この環境消費権はひとりひとり平等でなければならないはずのものでもある。ところが、そういった視点は「エコポイント」には全くない。それどころか、貨幣で測定される価値において低所得とされる人々の環境消費権を侵害するのです。こんなのが「エコ」の名に相応しいとは、私にはまったく思えないのです。

とはいえ、この制度は一定の支持を集めるでしょう。消費者ひとりひとりの立場に立てば、“省エネ製品を購入する”という行動はエコではあるでしょうし、何よりとりあえずは消費にゲタを履かせてくれるわけですから、ありがたいことには違いない。けれども、そうしたミクロの行動の集積が、マクロな結果として良い方向へ作用するとは思えない。経済は良くなるかもしれないし大切なことだけれども、その経済の名の下に蔑ろにされてきたものをさらに蔑ろにしてしまう。「エコポイント」とは、そんな制度であると考えるのです。

参考記事:『【再掲載】モノに2つの価格【+α】』

コメント

『なるほど』と思わせるご意見ですね。すばらしい。
環境消費権、確かにそうですよね~

>そうしたミクロの行動の集積が、マクロな結果として良い方向へ作用するとは思えない。

  消費税増税を予告している上に、あの程度のおためごかしでは、マクロには全く反映されないでしょう。景気対策に名を借りた特定業界への利益誘導なのではないかと思います。
  マスク製造会社の株価が急上昇しているという事件がありますが、あれなんかも怪しいですよ。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://gushou.blog51.fc2.com/tb.php/237-cffa3874

エコポイント対象商品リストが発表されました。【地上デジタル対応テレビ】

おはようございます。エコポイントの対象商品の規定とポイント数のリストが発表されました。各メディアの記事を読むと、「リスト」と表現されているので対象商品は多岐にわたるように感じられますが、基本的には

マッチポンプやろ・・・「エコカー」減税

 どうも、「景気回復」さえ言えば、何でもアリ、の感じがある麻生内閣。【…麻生太郎首相は会見で、「今回の景気対策は未来の成長につなげることを重視した。公共事業も15兆円のうち2.4兆円に抑えた」と、公共事業を中心とした歴代政権の経済対策との違いを強調した...

 | HOME | 

 
プロフィール

愚慫

Author:愚慫
“愚樵”改め“愚慫”と名乗ることにしました。

「空論」は相変わらずです (^_^)

      

最近の記事+コメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

QRコード
QRコード