愚慫空論

私論暴論 Web3.0

私はインターネットの技術については、まったくわからない。なので、Web2.0がどうのこうのというような話は、ものの本なんぞをなんだか薄ぼんやり理解できるような気がしないでもないが、話がちょっと専門的なことになると、さっぱりわからない。私の理解の程度は、私がいま利用しているブログというサービスがWeb2.0といわれるものの一形態であること、Web2.0でもっとも成功している企業が言わずと知れたGoogleだ、といったレベルである。

そんな私が大胆というより無謀にもWeb3.0なんてことを考えてみようと思ったのは、あるひとつの疑問から端を発している。それは「カネを払ってない」。私はブログもgoogleも利用しているわけだが、カネは一銭も払ってない。もっとも、一般ユーザーがカネを払わないでよいカラクリがあることは承知している。そのカラクリが民放TV局と同様のものであることも。そしてWeb2.0という技術は、消費者にとっても都合がよいが、カラクリを支えるスポンサーにとって都合がよい技術でもある、ということも。

今回考えてみたいと思うのは、カネを直接支払う代わりに一般ユーザーにとってもっと都合のよいWebのあり方。スポンサーという存在は、一見、ユーザーがカネを払わなくて済むので大変ありがたい存在のように思えるが、実のところ、廻りまわってカネを支払っているのはユーザーだ。ユーザーがスポンサーにカネを払うということは、スポンサーが販売する商品なりサービスなりを支持しているということではあるが、それはそのままスポンサーの意向――TV局や新聞社などのマスメディアには大きな影響力があることはよく知られている。googleのような企業にまで及ぶかどうかは知らないが――ではない。現在のカラクリはいわば間接民主主義のようなものだが、それをユーザーの意向が直接反映する直接民主主義的なあり方に出来ないものか――。こんなことを考えるようになったのも、上にも書いたとおり私はWebの技術についてはよくわからないけれども、それでもWebは直接民主主義的な情報伝達のありかたを実現できる可能性を秘めた技術ではないかと期待しているからなのだが...。


*****

愚樵版Web3.0の発想の基本は、1日は24時間である、というところに拠っている。なにを当たり前のことを...と思われるかもしれないが、まあ、話を続けさせてもらいたい。

私は貧乏人だが、それでもワーキング・プアと呼ばれるところからはなんとか免れているような境遇にいる。そんな私の身の回りは、決して豊かでないとはいえモノに囲まれていて、時に必要以上、無駄ではないのかと思うこともしばしばある。特に、未だ読めずに積みあがっている本、未だ視ることもできずに録画機の中にしまいこまれている映像――こういったものの量を目の当たりにするとき、これらの量を消費するのにいったいどの位の時間が必要なのか、と呆然としたりすることになる。そのようなとき、1日は24時間しかないという現実をつくづく思い知らされることになる。

私が時には無駄と思えるような本や映像――情報――を溜め込むのは、必要であるかもしれないと、いわば危惧したからだ。必要であるかないかを判断するには、それらの情報を消費しなければならないわけだが、それには同時に時間も消費する必要がある。私が情報の在庫を抱えるのは、それら情報を消費したいときに――私が消費できる時間の都合に合わせて――消費するためだが、さらに都合がよいのは、在庫を抱えずに、必要なときに必要な情報が入手できる――トヨタでいうとカンバン方式だが、ネットの世界ではオンデマンドといわれる方式だ。

*****

オンデマンド方式は、すでは実用化されている。というより、インターネットという存在そのものがオンデマンドである。ホームページやブログといった情報、それらを検索する検索エンジン、最近では youtube といった動画情報。みな、オンデマンドである。これらは上にも書いたとおり一見無料だが、一方ではユーザーが直接料金を支払うオンデマンドもある。音楽の配信サイトがその代表だろうか。

しかし、いわゆる有料のオンデマンド方式は、実は、瞬間的オンデマンドとでもいうべきものだ。ユーザーが消費したいと欲した瞬間に直ちに応えるということではオンデマンドだが、ユーザーが消費している時間についてはオンデマンドとはいえない。というのも、オンデマンドで行われるのは情報を販売することであり、販売された情報はユーザーの在庫となる。
(ただし、現在ではその情報は完全にユーザーの所有物とはならない。ユーザーの所有権は情報発信者の著作権に侵害されている――というのはユーザーからの一方的な見方だが。)

また、ストリームというのだろうか、一時的にオンデマンドで情報を消費できる権利を販売するような方式もある。
(著作権を主張する情報発信者の側からすれば、もしかしたら、このストリームという方式がもっとも都合がよいのかもしれない。おそらくストリームは情報の販売でなく貸与という考え方になるのだろうが、情報発信者側にとって販売は、時間制限なしの情報貸与といった捉え方だろう。)

ネットによる有料情報販売は瞬間的オンデマンド、ストリーム方式は一時的オンデマンド。そうなると、ユーザーの時間消費にオンデマンドな真の意味でのオンデマンドは、無料での情報提供がなされているものに限られる。しかしこの無料は、上でも記したように一見無料なのであって、裏にはカラクリがある。この私論の目標は、スポンサーが存在する間接民主主義的な制度を直接民主主義的に改めることであるから、その方向性に即して考えると、無料のオンデマンドを有料にしなければならない。

*****

(以下、Webで提供される情報をコンテンツと称する)

愚樵版Web3.0 原則1:ユーザーはコンテンツへの対価を支払う。

料金を支払うにも、支払う相手先がいる。コンテンツに対して料金を支払うのであれば、料金の支払い先は当然コンテンツ提供者であるべきなのは当然のこと。しかしWebの現状を見ると、そのコンテンツ提供者が誰なのか判然としない場合も多い。たとえば、近頃のブログ記事。記事の中で youtube 等の動画が再生できるようになっていることが多い。このような場合、ブログ記事を閲覧しているユーザーがコンテンツの料金を支払うべき相手は誰かという問題が出てくる。ユーザーが消費しているコンテンツはブログ管理人から提供されているように見えるが、そのコンテンツ対価すべてをブログ管理人に支払うのは不合理だ。そのようなブログ記事は、ブログ管理人が既にあるコンテンツを二次的三次的に利用して構成したもの。コンテンツ対価はコンテンツの一次提供者(著作権者)に支払われるのが合理的であると考える。

原則1.1:対価はコンテンツの一次提供者(著作権者)に支払われる。
原則1.2:対価はプロバイダーを通じてコンテンツの一次提供者に支払われる。

次に検討すべきはユーザーが料金を支払う基準だが、コンテンツを時間に沿ってオンデマンドで消費するのならば、料金も時間に沿ってオンデマンドで支払うのが合理的であると考える。

原則2:ユーザーは、コンテンツを消費する時間に比例して料金を支払う。

音楽や動画等の時間の流れにそって再生されるコンテンツは、その再生時間がそのままコンテンツを消費する時間だと考えることができる。しかし、時間情報を含まないコンテンツもある。技術的にはWebのあるページにあるユーザーがアクセスしている時間は計測可能なはずなので、そのアクセス時間をユーザーがコンテンツを消費する時間だと見做すこともできるだろう。
しかし、コンテンツの質、情報量、あるいはコンテンツ制作に要したコストなどといった要素を考慮すると、コンテンツを消費する時間をアクセス時間だと規定してしまうのは不公平・不合理だ。ならばいっそのこと、

原則2.1:コンテンツ提供者は、コンテンツを消費する時間を定めることが出来る。

としておいたほうがよかろう。さらに

原則3:ユーザーはコンテンツを自由にダウンロード・コピー・配布することができる。

原則3は、ユーザーの実態を容認するという消極的姿勢ではなくて、コンテンツ提供者はユーザーのコピーフリーの権利と自由競争を促すための積極的な原則である。ただしユーザーはコピーフリーの権利を無条件で手に入れるわけではなくて、

原則4:ユーザーは1日24時間コンテンツを消費しているものとする。

すなわちユーザーには従量制という選択肢はない。選択できるのは常時接続で、24時間必ずどこかかのコンテンツ提供者からコンテンツを提供しているものとみなされる。なので

原則4.1:ユーザーは1日24時間分の料金をプロバイダーに支払う。

ということになる。プロバイダーに支払われた料金は、原則1.2、原則2によって、コンテンツ提供者(著作権者)に支払われることになる。さらに

原則4・2:必ずしも1日を24時間とする必要はない。

これは原則2.1によりコンテンツ消費時間が物理的な時間と一致していないことから生じる原則だ。コンテンツ消費時間はもはや仮想的な時間であるので、1日の時間も仮想的にどのように定めても構わないということ。

原則4.3:ユーザーは消費しきれずに余った時間を任意のコンテンツ提供者に提供することが出来る。

ユーザーには消費しきれない時間が残る可能性が大きい。その残り時間にも対価はすでにプロバイダーには支払われているが、それをそのままプロバイダーの利益とするのは不合理だ。そこで、ユーザーには消費できなかった時間を、任意のコンテンツ提供者に対して、時間を消費したものとみなして提供することが出来る。

最後に

原則5:コンテンツ提供者は、以上の原則に従わないコンテンツ提供の仕方を選択できる。

これは当然の話。

*****

他にもまだ付け加えるべき原則があるかもしれないが、現時点で考え付くのはここらあたりまで。

さて、以上のような原則でWebを運営するとして、果たして有効なビジネスモデルとなりえるか? また狙い通り直接民主主義的な情報伝達のあり方が実現できるか? それより、そもそも上記のようなことが技術的に可能なのか?

拙文に目を通されてご意見のある方は、是非ともコメントを。

コメント

愚考

愚樵さん、こんにちは。
私(喜八)も技術的なことは全然分からないので、愚樵さんが上で提案されていることが可能かどうか、なんとも言えないのですが・・・。

ただ今後は「ウェブ情報は無料」という「常識」が崩れていって、「おカネを払って、役に立つモノを買う」という流れが大きくなっていくのではないかと思っています。

前々からひとつ考えているのは「ブログやホームページの無期限保存」サービスです。
自分がせっせと書いたブログやホームページをずっと残しておきたい。
それこそ自分が死んだ後も残しておきたいという人はけっして少なくないように思います(「自分史」や個人出版の隆盛を考えても)。

そのほかにもいろいろな形で有料サービスは多様化・増大していく。
と、私は予想しています(当たるも八卦、当たらぬも八卦・・・)。

ところで、ウェブの有料サービスで愚樵さんにお勧めしたいのは(セールスではありません。笑)「独自ドメイン」の取得です。
たとえば「gushou」では次のようなドメインが取得できますよ。

gushou.net
gushou.org
gushou.biz
gushou.info
gushou.jp
gushou.co.jp

ドメイン取得サービスでは割合安価なものもあります。
自分のドメインでブログを運営するのも、また乙なものでありますよ~。

喜八さん、ようこそ。

技術的に無理ってことはないはずなんですよね。“繋げ方”の問題だから。

エントリーには書かなかったけど、愚樵版Web3.0発想の動機は、喜八さんのように精力的に活動しているブロガーにも「実入り」があるような方法はないのか、というところから出発しているんです。アフィリエイトなどといった方法も開発されていますが、これは既存の金儲けの方法にぶら下がったようなもの。まず既存の金儲け組織の利益ありき、ですから。

政治も情報発信も、既存の組織に属しなければボランティアでやるしかないという状況が改まらないものなのか、と。

このあたりのことをもう一度改めて書き直してみようかな。

「独自ドメイン」取得は、ちらとは考えてみたことはあるんですけど。踏み切らない理由は、金銭的なことよりも面倒くさいのと、私ごときにはおこがましいかなと思って。

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