愚慫空論

『プレイバック』




If I wasn't hard, I wouldn't be alive.
If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.


日本語訳にすると

 強くなければ生きていけない。
 優しくなければ生きている価値がない。


出典は知らなくても、誰もがどこかで耳にしたことがあるという典型的な“名台詞”ですね。

ぼくもずっと“名台詞”として甘受してします。
出典の『プレイバック』は読んだことがない。今現在もまだ未読です。


理由があって、未読状態を改めようと改めようと思ったんです。
村上春樹が新訳を刊行したということも、小耳に挟んでいましたし。

それで近くの図書館の在庫を検索してみたら、あるじゃないですか。
しかも貸し出しされていない。

『プレイバック』を借り受けるために出かけました。図書館まで。
でも、あるべき棚に姿がない。

あれ、借りられたかな? と思って図書館の検索機で調べてみると、在庫になってる。
司書に探してもらったけど、見つからない。

「図書館の中にはあるはずなんですが。
誰かが(図書館の中で)手に持っているか、稀にあるんですが、別の場所に置いてしまったか...」

なんなんだ、この狙い澄ましたような巡り合わせの悪さはw

仕方がなく、貸し出し予約をして帰りました。
すると、今朝になって貸し出し準備ができたというメールが来ているのに気がついた。

今日は月曜で、休館日じゃないか!
運命の女神とやらは、ぼくに『プレイバック』を読ませたくないらしいww

だったら読まずに書いてやるwww



『聲の形』についての文章を書いているとき、浮かんでいたのは先の名台詞でした。

優しくできなくて生きる資格がないと思ってしまうと、生きていてはいけないと思ってしまうんだなぁ...

キャラクターがそういう言葉を口にしていたりもする。

 「オレ、生きてちゃいけない人間だから...」

バカか、オマエは!!

↑ の台詞は映画には登場しません。
ぼくが画面に向かって発した言葉ですww

優しい。そして、弱い。


『聲の形』は「いい映画」です。
優しくしようよ、「資格」を認め合おうよ、という映画。
涙が著著切れます。

でも、でも、フィリップ・マーロウとは逆だよな。


マーロウの名台詞が名台詞たる所以は、〈生きる〉ということの機序に沿っているからです。

 「hard」は「to be alive」のための必要条件。
 「gentle」は「to be alive」のための十分条件。

必要条件が満たされなければ十分条件が成立することはありえない。
構造上ありえません。

でも、十分条件が満たされなかったからといって、必要条件が成立しないとは限らない。
これも構造上の問題。

もし、十分条件が満たされなければ必要条件も満たせないということになるならば、それは必要十分条件でなければならない。

「gentle」が「to be alive」の必要十分条件であるとするならば、名台詞のような構文にはなりません。

 If I couldn't deserve to be alive, I wouldn't to be alive.

必要十分条件であるということは、こういうことです。

でも、こんなことをマーロウは言っていない。
名台詞から、こんなふうに言葉を続ける者なんていません。
健全な者であるならば。
断言してもいい。
そんなふうに〔ヒト〕はできていません。

でも、言い得ないことを、そうであるかのように思い込むですね。
これこそ「忖度」です。



――なんてことを考えていましたが、でも、これはぼくの想像かもしれません。
レイモンド・チャンドラーはフィリップ・マーロウをして、ぼくが想像したようなことを語らせたかったのか?
確認してみなければ、と思ったんです。


現在、まだ未確認です。
追って確認してみます。

もしかしたら、マーロウは「忖度」のナゾについても語ってくれているかもしれません。

なぜ、「忖度」になってしまうのか?
文明という「コルセット(〔システム〕)」がそうさせてしまうのかもしれません。

ここのところも確認してみます。
確認できたら、追って報告させてもらいます。

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